●引き算はしない
あなたを勇気づけ、 励ましてくれる3分間。
毎週月曜日に替わる「こころの電話」で紹介したお話を紹介しています。
こころの電話番号:03-3818-7977
東京以外の地域からの電話
引き算はしない
六十七歳になるクニ子さんは、七十二歳になる夫の隆さんと二人暮らしです。
ある日、隆さんが体の不調を感じ、心配するクニ子さんと精密検査を受けに病院へ行きました。
そして、医師から末期の肝臓ガンと宣告されました。
「長くもって二ヶ月、年内もてばよい方でしょう」との先生の説明を一人で聞いたクニ子さんは、目の前が一瞬にして真っ暗になりました。
長い間、苦楽を共にしてきた夫が、やがて死ぬという宣告は、心をかきむしられる思いでした。
その日から、いたたまれない看病の日が続いたのです。
そんなある日、クニ子さんは、一度これまでのお礼を申しておこうと金光教の教会に足を向けました。
夫の容態とこれまでのお礼を申し、「少しでも長く一緒にいたい」と、教会の先生に話しました。
先生は、静かに聞いてくださり、「神様に一緒にお礼を申しましょう」と、やさしく語るのでした。
ご祈念が終わり、先生は、「クニ子さん、神様にお礼をするといって、何かあきらめのようになっているのではありませんか。お医者さんは、年内のいのちだといいます。その通りかもしれません。しかし、いのちの長さは誰も決められません。一切の恵みを受けて、いのちはあるのです。その与えられているいのちをどう生きるかが大切です。悪いことを言って先を待たずに、一日一日真のお礼ができるような生き方を、一緒にさせて頂きましょう」と、話されました。
クニ子さんの毎日の参拝は、そこから始まったのです。
「いのちは数えるものではなく、お与えくださるものと気づくことができて、それが心底有り難くてならない」と、思えるようになり、クニ子さんにとっての、つらかった日々が少しずつ変わっていくようです。
クニ子さんは、毎朝、教会に足を運んでは、神様に今日も目覚めたお礼を申し、隆さんのことや、嫁いだ娘さん家族のことをお願いされています。