●汚れたトイレから
あなたを勇気づけ、 励ましてくれる3分間。
毎週月曜日に替わる「こころの電話」で紹介したお話を紹介しています。
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汚れたトイレから
先日、公衆トイレに入った時のことです。用を足そうと扉を開けてびっくりしました。
個室の床の三分の一ほどが、排泄物で汚れていたのです。
私は自分の便意も忘れて、思わずその扉を締め、そのトイレを後にしようとしました。
しかし次の瞬間、私の後にこの扉を開ける人の気持ちがふと頭をよぎりました。
「次の人も嫌な思いをするだろうなあ」
そこで、思い切って掃除をしようという気になりました。
しかし、あまりの汚さに、『よくもこんなに汚したままで出ていけるもんだ。
全く、何を考えているんだか、こんなことをする人の気が知れない』と思いながらも、『腹を立てても、立てるだけこっちが損だ。よいことをさせてもらえばありがたい』と思い直しながら、掃除を続けました。
そのうちに私自身の心が変わっていくのが分かりました。『よほどこらえきれなかったんだろうな。下痢はつらいからな。この人の服は汚れなかったろうか』などと、その人を気遣う気持ちになっていったのです。
そして、今まで私は、とかく人を責める心になっていたことを気づかせられました。
いつもなら汚した人を責めることで終わっていたでしょうが、トイレ掃除をさせてもらったことを通して、その人の側に立ってみることの大切さを教えられた気がします。
人を責めて済ますことは簡単ですが、それではなんの解決にもなっていません。
自分自身を磨いていくためにも、起こってきた事柄をしっかりと受け止めて、そして、他の人も助かっていくことが願えるように取り組んでいきたいと思います。
トイレを済ませた後、私は身も心も清々しく、きれいになったトイレを後にすることができました。