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2006年08月01日

●「ありがとう」と「すみません」

心から「ありがとう」を言えるようになりたいと思う。
簡単に思えるがこれが難しい。
相手に感謝の意を伝えるときに、あなたなら何と伝えるだろうか?
多くの人が頭をひょいと下げ、「すみません」と言うのではないだろうか。あまり親しくない相手の場合なら尚更で、目上の人の場合なら妙にかしこまった堅い言葉になってしまう。
冷静に「ありがとう」と「すみません」、二つを並べてみれば全く正反対の言葉とわかる。
例えばついつい答えてしまうのは、
・ 落とした物を拾ってくれた人に答えるのは、「すみません」
・ 道や列の順番を譲ってくれた人に答えるのも、「すみません」
・ 思いがけなく親切にされたときに答えるのもこれまた、「すみません」
確かに、感謝・ありがとうの意味合いを込めての言葉もあるだろうが、活字にしてしまうと違和感がある。これが日本語の難しいところだ。どんな言葉を使うにしても、使う人の心が大切で、自分の心と切り離して、上辺だけの言葉では何の意味がないし、それに慣れてしまうことは、日本人の感性を鈍らせる。
相手の事を思いやり、心からの感謝を言葉に込めるのが大切ではないだろうか。

今は亡き父から、大学の入学祝いに一冊の本をもらった。
それは「万葉集」だった。
その中の、一首に鉛筆で印が付いていた。
「磯城島(しきしま)の 大和の国は 言霊の助くる国ぞ ま幸くありこそ」つまりは、「(磯城島の)大和の国は 言霊がはたらいて幸いをもたらす国」という意味(確か…)。更に直訳すると、「言葉は生きていて、自身が発する言葉で、幸いをもたらす国、日本」という感じ。近年、愛国心を理屈っぽく語る人が多いが、その前に私たちが話す日本語の本当の使い方や感じ方を改めて考え直す必要があるのではないだろうか。私は、この繊細で美しい日本語を大切にしたいと考える。感謝と謝罪の言葉がごちゃ混ぜにならないように、誤解のない素直な日本語を意識したい。

まずは、「ありがとう」と「すみません」…それぞれ本来のあるべき使い方をし、精一杯の「言霊(ことだま)」を乗せ発したいものだ。(ハル)