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2006年10月23日

●野良ネコが教えてくれたもの

あなたを勇気づけ、 励ましてくれる3分間。
毎週月曜日に替わる「こころの電話」で紹介したお話を紹介しています。

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野良ネコが教えてくれたもの

ある日、友人と、その家族とで、家の庭でバーベキューを楽しんでいた時のことです。
突然、飼いネコと野良ネコが喧嘩をはじめ、そのうち、野良ネコが家の前の道路に追われ、車にひかれてしまったのです。
ネコは体を痙攣させ、間もなく息を引き取りました。
あっと言う間の出来事に、みな息をのみ、とくに、子どもたちは、目を皿のようにして見入っていました。
泣きだす子もいて、さすがにショックはかくせないようです。
しばらくして、子どもたちの中から、「お墓を作ってあげよう」という声が聞こえました。
大人たちが、庭の片隅にネコを運び入れ、子どもたちの手で石が積まれ、お墓が作られました。
花が飾られ、みんなで手を合わせました。
一息ついた頃、母親の一人が、子どもたちに話をはじめました。
「ねえ、みんな。ネコさん、かわいそうだったね」。
子どもたちは、口をつぐんだままでしたが、すぐに、「とても苦しそうだった」とか「かわいそう。幸せになってほしい」という返事が返ってきました。
母親は「そうだね。でも、みんなが最後に優しくしてくれて、ネコさん、ありがとうって喜んでいると思うよ」。
子どもたちの瞳が急に輝きを取り戻しはじめました。
母親は、さらに優しい声で、「お母さんたちもうれしかったことがあるの。それはね、みんなが、ネコさんをかわいそうに思って、一生懸命にお墓を作ってあげたでしょう。そんな、みんなの優しさが、うれしいなあって思うの。みんながしたことはね、ネコのいのちを大切にしてあげたってことなのよ。いのちって、動物や植物、そして、こんな机や椅子なんかにも、ぜーんぶあるの。もちろん、あなたたちにもね、だからね、これからも、いのちというものを、ずーと大切にしてほしいなって思うの。わかるかなぁ?」
子どもたちは、だまって聞いていましたが、「いのちかぁ」「うん、わかった」など口々に返していました。
日暮れ時、オレンジ色に染まった庭は、子どもたちの純粋な優しさに包まれているようでした。

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