●ゆとりをもって
あなたを勇気づけ、 励ましてくれる3分間。
毎週月曜日に替わる「こころの電話」で紹介したお話を紹介しています。
こころの電話番号:03-3818-7977
東京以外の地域からの電話
ゆとりをもって
私は、何事においても、ぎりぎりにならないとできない性分です。原稿を書くのでも、前日にならないと書けません。
どこかへ出かけるのも、ぎりぎりの電車を選んで乗ります。
しかも、これまで大した失敗もなかったので、無駄のない行動だと自慢にしているところがありました。
そんなある日のこと、私は岡山へ用事があり、いつものようにぎりぎりの新幹線を選び、それに間に合うよう、ぎりぎりのJR在来線を選んで、ぎりぎりに家を出て、小走りに駅へと向かいました。
その日の切符は、自動改札を通れない切符で、私は一番端の駅員さんのいる改札へと急ぎました。
するとそこには、数人の人だかりができていたのです。しかし、急ぐ私は、それをすり抜けるように改札へと入りました。
すると、改札の向こう側に車椅子に乗った方が、外へ出ようと待っていたのです。私は一瞬〈しまった〉と思いましたが、先に入らないと乗り遅れる、という心が先に立ち、「お先にすみません」と言いながら、改札を通り抜けたのでした。
階段を駆け降り、電車に飛び乗った私は、何とも後味の悪い気分になりました。
いくら急いでいたとはいえ、人様に先を譲れないような自分が情けなくて仕方がありませんでした。
ぎりぎりの行動をとる私は、これまでこのような場面に遭遇しなかったというだけで、ふたを開けてみれば、無駄がないのではなく、ゆとりがなく、いつしか我先にと急ぎ、優しさや思いやりを覆い隠してしまっていたのでした。
それからの私は、行動にも心にも、ゆとりを持てるよう心がけて毎日を送っています。