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2006年12月11日

●大事なものは何ですか

あなたを勇気づけ、 励ましてくれる3分間。
毎週月曜日に替わる「こころの電話」で紹介したお話を紹介しています。

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大事なものは何ですか

今から20年近く前のことです。当時小学生だったA君は、「不登校児」と呼ばれていました。
子どもの不登校という問題は、今でこそ、社会からの理解もされつつありますが、当時は世間の風当たりが強く、A君のお母さんは、親類や近所の人から、「あんたの育て方が悪いんや」などと言われていました。
しかし、そう言われても、なぜこうなったのかお母さんには分かりません。
思い悩んだ挙げ句に教会にお参りし、「何が原因なのかも分からず、世間体も悪いし、何とか学校へ行ってもらいたい」と、涙ながらに先生に訴えたのです。
お母さんが少し落ち着いてきた頃、先生は、「あなたは世間体が大事かな、それとも、A君が大事かな」と、静かにお母さんに尋ねました。
お母さんはハッとしたように顔を上げ、「息子が大事です」とはっきり応えました。
先生はにっこりとうなずくと、「暫くは家でゆっくりさせてあげて、親子の対話を十分にしてあげなさい。
今、A君は、お母さん、あんたを頼っている。世間体を気にせず、A君をしっかりと受け止めて、神様にお縋りしましょう」と話したのでした。
それから、お母さんは教会への日参を始めました。そして、時々A君も一緒にお参りするようになりました。
そんなとき、先生はA君に「学校に行かんでも、自分で出来る勉強はしとけよ」と話すのでした。
その言葉に刺激を受けたのか、A君は、独学で勉強するようになりました。さらには、教会参拝を通して、徐々に社会との交わりも出来る様になっていきました。
ここまでの道のりは、本人にも親にも大変な苦しみの連続でした。
しかし、親として「息子が大事だ」とまっすぐに子どもと向き合ったところから、新たな道が開かれていったのだと思うのです。

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