●助けたいという心
助けたいという心
ニューヨークの真ん中で火事があった時の出来事です。消火に当たっていた消防士は、こんな光景を見たのでした。
燃えさかるビルの中に、一匹の母猫と五匹の子猫が取り残されました。消火作業に追われていた消防士は、子猫たちをどうしてやることもできません。ところが、その時です。なんと母猫が一匹の子猫を、燃えさかる炎の中から、口にくわえて外に連れ出したではありませんか。それだけではありません。その後、母猫はすぐに炎の中に飛び込み、一匹、また一匹と、とうとう五匹の子猫をすべて助け出したのでした。
親が子を思う気持ちは、人間も動物もかわりありません。この母猫は、「助けたい」という一念から、我が身を忘れて炎の中に飛び込んだのです。そして、信じられないほどの生命力を働かせたのでした。
この「かわいそうで、助けずにはいられない」という心に、神様は働いてくださるのです。それは、「助けたい」という心が、そのまま神様のお心に他ならないからです。すべての命あるものの中には、「他の命のために」という願いがどこかにあるようです。しかし、その願いを一番持ち合わせていながら、思うように発揮していないのが、私たち人間ではないでしょうか。世界中のあちこちで傷つけ合っているなんて、とても悲しいことです。私たち人間も、このお母さん猫に負けないくらい、もっともっとこの「助けたい」という心を働かせ合って、互いに助け合う生き方をしていきたいものです。