●誇り
先日、久しぶりの里帰り。すると、私のすぐ上の兄もたまたま里帰り。彼は福岡に暮らし、家庭を持っている。私は東京の為、普段の付き合いといえば年賀状を交わす程度。たまたまとはいえ、久しぶりに兄弟で語らう。里は温泉の宝庫。「久しぶりに温泉でも行くか?」と、二人でいそいそと温泉へ。客もまばらな露天風呂。互いに空を見ながら話し込む。聞けば、兄は今の仕事に満足してないとのこと。小学5年生になる息子を持つ彼は、息子に同じ仕事をしてほしいとは思えないと言う。
彼曰く、「自分がどんな仕事をするにせよ、息子に継いでほしいと思えるような仕事をしなきゃな・・・世間体じゃないんだ。俺自身が自分の仕事を好きにならなきゃ、誇りを持てるような仕事の仕方をしなきゃいけないんだよな」
彼は自分に言い聞かすように満天の星空に向かって呟いた。
その仕事をするだけで誇りが持てるのではない。その仕事とどれだけ向き合うことができるか、それが自分に誇りをもたらす。
私は、「兄貴も変わったなぁ」と思いながら、しばしの休息を満喫した。
菊川幸四郎