●ゆきさんの短冊
ゆきさんの短冊
私は大学二年生、十カ月程前から駅前のハンバーガーショップでアルバイトをしています。店内は早朝から深夜まで老若、国籍を問わず様々な人たちで賑わいます。最初はカウンターに入ってもコチコチになってしまい、店長に「もう少し笑顔で接するように」と言われたこともありました。
少し仕事にも慣れてきた、昨年の七夕の頃の事でした。店内に笹飾りと短冊を用意して、お客さんに自由に願い事を書いてもらう、というイベントをする事になったのです。ある日、二人連れの女子高生が、ハンバーガーを注文した後、ちょっともじもじしながら、「名前何て読むんですか?」と、私の制服の胸についている名札を指さしました。私の名前は優良可の良に中央の央と子どもの子と書くのです。「みおこと読むんですよ」と言うと、「えー、珍しいですね」と少しびっくりしたようでした。
数日後、店長に「短冊に君のことが書いてある」と言われて見てみると、『夏のバレー大会に優勝できますように、彼氏が早くできますように。追伸、良央子さん頑張ってください、また来ます。ゆき』と書いてありました。あの子達だなと思い、とても嬉しくなりました。
実は最近、仕事に慣れたのはよいのですが、慣れてしまうと単調なこの仕事に、笑顔も惰性になりかかっていたのでした。そんな私に、この短冊は、初心を思い出させてくれ、大きな励ましを与えてくれました。ささやかな出会いだったけれど、これは、神様から私への励ましのプレゼントなのだと思いました。
「神様、ゆきさんの願いが叶いますように。」