●お金も大切だけど…
お金も大切だけど…
久しぶりに実家に帰ったときのことです。何やら母と兄夫婦が大騒ぎしているのです。一体どうしたのかと母にたずねたところ、水道代の請求がいつもの十倍近くにも上がっていたというのです。めったにあわてない義姉もさすがにこの時ばかりは、私が来たのにも気づかない様子です。水道管が破裂を起こしていることが予想されたので、急いで水道屋さんに調べてもらったところ、案の定地中に埋まっている水道管が古くなり、そこから大量の水が漏れていました。
兄は水道代をどのように払うのかということで頭がいっぱいのようでしたが、母はそのあふれ出た水を見て、「水道代はもちろんもったいないけれども、それ以上に大切な水が無駄に流れてしまったことの方がもったいない。申し訳なかった」と言うのです。
なるほど、母の言うとおりです。
私たちは何かがもったいないと言うとき、その物自体の大切さを考える前に、すぐお金に換算して考えてしまうところがあります。例えば、部屋の電気をつけっ放しにしたときでも、電気代がもったいないとは言いますが、電気というエネルギーそのものがもったいないとは言いません。また、温泉などに行ったとき水道代を考える必要がないのでお湯を必要以上に使う人もいますし、腕時計を無くしてしまったとき、それが安い物であったら、あっさり諦めてしまいます。
もちろん、お金がもったいないと考えるのは当然のことです。誰だって無駄な出費は避けたいものです。しかし、その前に、かけがえのない物や資源に感謝の気持ちを込めて大切に使わなければいけないと、母のことばから教えてもらいました。